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けもの塾

イタチ

イタチを漢字かんじで書かくと、「鼬」。「ねずみへん」がついていますが、実じつはイタチはネズミ(齧歯目げっしもく)ではなく、分類学的ぶんるいがくてきには「食肉目しょくにくもく(ネコ目もく)―イヌ亜目あもく―クマ下目かもく―イタチ上科じょうか―イタチ科か」。細長ほそながい体からだに短みじかい四肢ししが特徴とくちょうで、可愛かわいらしい顔かおにもかかわらず、食肉目しょくにくもくでは珍めずらしく鋭するどい牙きばと爪つめをもち、ネズミなどを捕食ほしょくするハンターなのです。しかも、危険きけんが迫せまると、ものすごく臭くさいオナラをする!イタチ上科じょうかには、イタチ科かのほか、レッサーパンダ科か、アライグマ科か、スカンク科かなどもあります。

イタチ科かに属ぞくする動物どうぶつの大おおきさや生活圏せいかつけんはまちまちで、手てのひらサイズのイイヅナからアナグマ、そしてラッコやカワウソのように水辺みずべの動物どうぶつまで全部ぜんぶで約やく60種しゅ。最近さいきんペットとして人気にんきのフェレットもイタチ科かです。

まずは、イタチ科かにはどんな動物どうぶつがいるのか、そして、どんな動物どうぶつなのかなど、知しっているようで知しらないイタチ科かの動物どうぶつについて、さあ、調しらべてみましょう!


イタチ科かにはどんな動物どうぶつがいるんだろう?

イタチ科かは食肉目しょくにくもくで最大さいだいのグループ。約やく60種類しゅるいの動物どうぶつがイタチ科かに分類ぶんるいされており、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア以外いがいの全世界ぜんせかいに棲息せいそくしています。

オセアニアにどうしてイタチ科かが棲息せいそくしていないのでしょうか?

かつては大陸たいりくと地続じつづきだったオセアニアが離はなれたのは、今いまからおよそ6,500万年前まんねんまえ。その頃ころは、有袋類ゆうたいるいが世界各地せかいかくちで隆盛りゅうせいを極きわめていた頃ころで、オセアニアに取とり残のこされた有袋類ゆうたいるいはその後あとも進化しんかを続つづけ、現在げんざいの豊ゆたかな動物相どうぶつそうを形作形づくっているのです。一方いっぽう、その後のち、各地かくちで現あらわれたイタチ類るいをはじめとする哺乳類ほにゅうるいは海うみを越こえてオセアニアに渡わたってくることができず、野生やせいではイタチ科かはオセアニアには存在そんざいしないというわけなのです。

【イタチ科かの動物どうぶつ】

[ ]内ないの表示ひょうじは、棲息地せいそくち/成獣せいじゅうの平均体重へいきんたいじゅう(kgきろぐらむ)

イタチ亜科(Mustelinae)
イタチ属ぞく(Mustela)[極地きょくちを除のぞいた幅広はばひろい地域ちいき/ 0.12~1.5㎏]
○アルタイイタチ(M. altaica)
○オコジョ(M. erminea)
○オナガオコジョ(M. frenata)
○キバライタチ(M. kathiah)
○イイズナ(M. nivalis)
○シベリアイタチ(タイリクイタチ、チョウセンイタチ/M. sibirica)
○ニホンイタチ(M. itatsi)
○セスジイタチ(M. strigidorsa)
○ハダシイタチ(M. nudipes)
○ヨーロッパミンク(M. lutreola)
○ヨーロッパケナガイタチ(M. putorius)
○フェレット(M. furo)
○ステップケナガイタチ(M. eversmanni)
○クロアシイタチ(スジハライタチ/M. nigripes)
○アマゾンイタチ(M. africana)
○コロンビアイタチ(M. felipei)

ステップケナガイタチ

マダライタチ属ぞく(Vormela)[ヨーロッパ南東部なんとうぶ~中国西部ちゅうごくせいぶ/0.3~0.7kg]
○マダライタチ(V. peregusna)

マダライタチ

テン属ぞく(Martes)[ユーラシア大陸たいりく、南北なんぼくアメリカ大陸たいりく、日本にほん、インドネシア/0.9~1.5㎏]
○アメリカテン(M. americana)
○キエリテン(M. flavigula)
○ムナジロテン(M. foina)
○ニルギリキエリテン(M. gwatkinsii)
○マツテン(M. martes)
○テン(M. melampu)
○クロテン(M. zibellina)

クロテン

タイラ属ぞく(Eira)[メキシコ南部なんぶ~パラグアイ、アルゼンチンの森林しんりん/4~5㎏]
○タイラ(E. barbara)

タイラ

グリソン属ぞく(Galictis)[メキシコ南部なんぶからパラグアイとアルゼンチンまでの森林しんりん/1.4~3.5㎏]
○ヒメグリソン(G. cuja)
○グリソン(G. vittata) 

ヒメグリソン

グリソンモドキ属ぞく(Lyncodon)[中南米ちゅうなんべい/0.4㎏~1.4㎏]
○グリソンモドキ(L. patagonicus)

ゾリラ属ぞく(Ictonyx)[リビア、スーダンから南みなみアフリカの草原そうげん、サハラの半砂漠はんさばく地帯ちたい/0.4~1.4㎏]
○ゾリラ(I. striatus)
○サハラゾリラ(I. libyca) 

ゾリラモドキ属ぞく(Poecilogale)[サハラ以南いなんのアフリカ/0.3㎏]
○ゾリラモドキ(P. albinucha) 

クズリ属ぞく(Gulo)[ユーラシア大陸たいりく北部ほくぶ、北きたアメリカ大陸北部たいりくほくぶ、北極圏ほっきょくけん/7~32㎏]
○クズリ(G. gulo)

クズリ

ラーテル属ぞく(Mellivora)[西にしアジア、サハラ以南いなんのアフリカの森林しんりんやサバンナ/8~14㎏]
○ラーテル(ミツアナグマ/M. capensis)

ラーテル

アナグマ属ぞく(Meles)[ユーラシア大陸たいりくの森林しんりん、日本にほん/5~16㎏]
○アナグマ(M. anakuma)
○アジアアナグマ(M.leucurus)
○ヨーロッパアナグマ(M. meles)

ヨーロッパアナグマ

ブタバナアナグマ属ぞく(Arctonyx)[中央ちゅうおうアジア、東南とうなんアジア/7~14㎏]
○ブタバナアナグマ(A. collaris)

ブタバナアナグマ

アメリカアナグマ属ぞく(Taxidea)[アメリカ合衆国がっしゅうこく・カナダ・メキシコの草原そうげん/4~12㎏]
○アメリカアナグマ(T. taxus)

アメリカアナグマ

 イタチアナグマ属ぞく(Melogale)[南東なんとうアジア/1~2㎏]
○シナイタチアナグマ (M. moschata)
○ボルネオイタチアナグマ(M. everetti)
○ジャワイタチアナグマ (M. orientalis)
○ビルマイタチアナグマ(M. personata)
○ベトナムイタチアナグマ (M. cucphuongensi)

ビルマイタチアナグマ

 ミンク属ぞく(Neovison)[北きたアメリカ大陸たいりく、東ひがしヨーロッパからシベリア西部せいぶ/7~23㎏]
○ミンク(アメリカミンク/N. vison)
○ウミベミンク(絶滅ぜつめつ/N. macrodon)

ミンク

フィッシャー属ぞく(Pekania)[カナダの針葉樹林しんようじゅりん/2〜6kg]
○フィッシャー(P. pennanti)

フィッシャー

カワウソ亜科あか(Lutrinae)
カワウソ属ぞく(Lutra)[ユーラシア大陸たいりく、インドネシア、北きたアフリカ/4~10㎏]
○ユーラシアカワウソ(ヨーロッパカワウソ/L. lutra )
○スマトラカワウソ(L. sumatrana)
○ニホンカワウソ(L. nippon)

ユーラシアカワウソ

オオカワウソ属ぞく(Pteronura)[南米なんべいのアマゾン川流域がわりょういき/24~34㎏]
○オオカワウソ(P. brasiliensis)

オオカワウソ

ツメナシカワウソ属ぞく(Aonyx)[サハラ砂漠以南さばくいなんのアフリカ大陸たいりく、東南とうなんアジア/11~21㎏]
○ツメナシカワウソ(A. capensis)
○コツメカワウソ(A. cinerea)

ツメナシカワウソ

ノドブチカワウソ属ぞく(Hydrictis)[サハラ砂漠以南さばくいなんのアフリカ大陸たいりく/3.5~6.5kg]
○ノドブチカワウソ(H. maculicollis)

ノドブチカワウソ

カナダカワウソ属ぞく(Lontra)[北きたアメリカ、チリ、ペルー/5~14㎏]
○カナダカワウソ(L. canadensis)
○ミナミウミカワウソ(L. felina)
○オナガカワウソ(L. longicaudis)
○チリカワウソ (L. provocax)

カナダカワウソ

ビロードカワウソ属ぞく(Lutrogale)[イラク、インダス川流域がわりゅういき、マレー半島はんとう、スマトラ島とう、ボルネオ島とう/7~11㎏]
○ビロードカワウソ(L. perspicillata)

ビロードカワウソ

ラッコ属ぞく(Enhydra)[アメリカ合衆国がっしゅうこく、カナダ、ロシア東部とうぶ、千島列島ちしまれっとう/15~22㎏]
○ラッコ(E. lutris)

ラッコ

 

イタチ科かの動物どうぶつはいつから地球ちきゅうにいるんだろう?

上うえであげた種類しゅるいの多おおささからもわかるように、イタチ科かは食肉目しょくにくもくの中なかで最大さいだいのグループです。祖先そせんは約やく6,500万年前まんねんまえから4,800万年前まんねんまえに北米ほくべいやヨーロッパに棲息せいそくしていたミアキス(Miacids/「動物どうぶつの母はは」という意味いみ)。また、6,600万年前まんねんまえごろに森もりに出現しゅつげんしたプロトゥンギュラトゥム・ドナエ(Protungulatum donnae)であるとする説せつもあります。

木きの上うえで自分じぶんたちより小ちいさい生いきものなどを捕とらえながらひっそりと暮くらしていたこれらの祖先そせんですが、やがて個体数こたいすうの増加ぞうかにより生存競争せいぞんきょうそうが激はげしくなり、森もりを離はなれて草原そうげんで暮くらすものも出でてきました。それらがイヌ科かの祖先そせんとなったのです。しかし、草原そうげんに馴染なじむことのできないグループもあり、それらは再ふたたび森もりに戻もどっていきました。それがクマ科かの祖先そせんです。クマ科かは優すぐれた環境かんきょう適応能力てきおうのうりょくで世界せかい各地かくちに広ひろがっていきますが、その中なかで棲息せいそく地域ちいきの環境かんきょうの急激きゅうげきな変化へんかにともない、4,000万年まんねんぐらい前まえにイタチやカワウソの祖先そせんグループとスカンクの祖先そせんという2つの系統けいとうが枝分えだわかれします。イタチやカワウソの祖先そせんの中なかでも海うみの方ほうに進出しんしゅつするものが現あらわれ、それがカワウソの祖先そせんとなりました。これは、2,500万年まんねんから2,000万年前まんねんまえの間あいだのできごとです。水みずの中なかでも棲息せいそくするように進化しんかをしたカワウソですが、その中なかでも特とくに陸りくをほとんど必要ひつようとしないまでに水みずに適応てきおうしたのがラッコなのです。

日夜にちや、目覚めざましい発展はってんをとげる科学技術かがくぎじゅつですが、こと、生いきものの進化しんかとなると最新さいしんの技術ぎじゅつでも解明かいめいすることのできないことが多おおく、今いまでも世界中せかいじゅうで多おおくの研究者けんきゅうしゃたちが進化しんかの歴史れきしをひも解とこうと努力どりょくを続つづけています。

 

日本にほんにはどんなイタチ科かの動物どうぶつがいるんだろう?

【ニホンイタチ(ホンドイタチ)】

ニホンイタチは日本固有種にほんこゆうしゅ

本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうの水辺みずべや森林しんりんに幅広はばひろく棲息せいそくしている日本固有種にほんこゆうしゅです。北海道ほっかいどう本島ほんとうや北海道ほっかいどうや本州ほんしゅうの周辺しゅうへんの島々しまじまにもニホンイタチが棲息せいそくしていますが、北海道ほっかいどうのものは明治めいじの初期しょきに本州ほんしゅうから貨物かもつと一緒いっしょに北海道ほっかいどうに移入いにゅうしたものです。また、島々しまじまに棲すむニホンイタチは、ノネズミの駆除くじょのために人間にんげんが移入いにゅうさせたものが野生化やせいかしたものです。

このニホンイタチが日本にほんに現あらわれたのは、アジア大陸たいりくと日本にほんがまだ陸続りくつづきであったころであると考かんがえられています。

ニホンイタチ

ニホンイタチの特徴とくちょう

イタチ科かの動物どうぶつの多おおくは、オスの方ほうがメスよりも体からだが大おおきいのですが、その差さがすべての哺乳類ほにゅうるいの中なかで一番大おおきいのが、このニホンイタチで、オスの体長たいちょうは27~37cmせんちめーとる、メスは16~25cmせんちめーとるほどです。

冬眠とうみんはせずに、昼夜ちゅうやにかかわらず活動かつどうし、泳およぎも木登きのぼりも得意とくいで、ネズミや小鳥ことりなどの小動物しょうどうぶつや魚さかな、両生類りょうせいるい、昆虫こんちゅうなどのほか、山やまブドウなどの植物しょくぶつも食たべます。繁殖力はんしょくりょくが強つよく、北海道ほっかいどうでは1年ねんに1回かい、それ以外いがいの地域ちいきでは年ねんに2回かい、1度いちどの出産しゅっさんで3~5匹ひきを産うみます。

繁殖力はんしょくりょくが強つよいはずのニホンイタチですが、1950年前後ぜんごに日本にほんに入はいってきた、ニホンイタチよりも大おおきなチョウセンイタチに住処すみかを追おわれ、その数かずを減へらし、地域ちいきによっては絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅに指定していされているのです。その一方いっぽう、移入いにゅうされたニホンイタチが在来種ざいらいしゅの生いきものを脅おびやかしている地域ちいきもあります。


【チョウセンイタチ(タイリクイタチ、シベリアイタチ)】

在来種ざいらいしゅと外来種がいらいしゅ

 九州きゅうしゅう 長崎県ながさきけんの対馬島つしまとうに棲すむイタチはチョウセンイタチ。西日本にしにほんにも朝鮮半島ちょうせんはんとうから移入いにゅうされたチョウセンイタチが棲息せいそくしていますが、対馬つしまのチョウセンイタチとはDNAでぃーえぬえーが異ことなるという研究けんきゅうもあり、本州ほんしゅうのは外来種がいらいしゅ、対馬つしまのは在来種ざいらいしゅであると言いうこともできます。対馬つしまは大昔おおむかし、ユーラシア大陸たいりくと陸続りくつづきで、大陸たいりくと切きり離はなされたあとも、ユーラシアに棲息せいそくする動植物どうしょくぶつが今いまも息いきづく貴重きちょうな環境かんきょうが残のこっているのです。

チョウセンイタチ

ニホンイタチとの違ちがいは?

チョウセンイタチはもともと、砂漠地帯さばくちたいを除のぞくユーラシア大陸たいりくの広ひろい地域ちいきに棲息せいそくするイタチで、ニホンイタチよりもやや大おおきい体格たいかくをしています。チョウセンイタチの方ほうが少すこし黄色きいろが強つよい体毛たいもうをしています。また、ニホンイタチの尾おが体からだの40%ぱーせんとほどの長ながさなのに、チョウセンイタチの方ほうは50%ぱーせんとほどとチョウセンイタチの尾おの方ほうが長ながいのが特徴とくちょうです。

ニホンイタチに比くらべ、チョウセンイタチの方ほうが雑食性ざっしょくせいが強つよいため、より広ひろい地域ちいきで棲息せいそくすることができます。そのため、ニホンイタチの棲息域せいそくいきを脅おびやかす存在そんざいにもなっているのです。一方いっぽう、対馬つしまのチョウセンイタチは棲息せいそく環境かんきょうの悪化あっかなどによって数かずが大幅おおはばに減少げんしょうし、2020年ねん3月がつには絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅに指定していされました。


【ニホンテン(ホンドテン)】

ニホンテンも日本にほん固有種こゆうしゅ

本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうの広葉樹こうようじゅの森もりや里山さとやまに棲すむニホンテンは、日本にほん固有種こゆうしゅ。体長たいちょう44~55㎝せんちめーとるとネコほどの大おおきさであるものの、体重たいじゅうはネコよりも軽かるく、とても身軽みがる。木登きのぼりも得意とくいです。

ニホンテン

夏毛なつげは黒くろっぽい茶色ちゃいろ、冬ふゆになると体毛たいもうが黄色きいろくなるものを「キテン(黄貂、木貂)」と呼よび、黒くろっぽい茶色ちゃいろのままのものを「スステン(煤貂)」と呼よびます。キテンは東北地方とうほくちほう、四国しこく、九州きゅうしゅうに多おおく、スステンは関東かんとう~中国地方ちゅうごくちほうに多おおく棲息せいそくしています。1年中ねんじゅう、黄色きいろいニホンテンもいるなど、個体こたいによって体毛たいもうの変化へんかも様々さまざまです。冬眠とうみんはせず、1年中ねんじゅう、活動かつどうをしています。


【エゾクロテン】

北海道ほっかいどうだけにいるエゾクロテン 

ロシアやカザフスタン、モンゴルなどひんやりとした地域ちいきや針葉樹林しんようじゅりんに棲すむテン属ぞくクロテンの亜種あしゅで、日本にほんでは北海道ほっかいどうにのみ棲息せいそくしています(日本にほん固有亜種こゆうあしゅ)。ちょっ見みただけでは、ニホンテンと似にていますが、エゾクロテンの方ほうが尾おが短みじかく、冬毛ふゆげもややクリーム色いろがかっているのが特徴とくちょうです。エゾクロテンも冬眠とうみんはしません。

エゾクロテン

体長たいちょうは50㎝せんちめーとるほどで、ユーラシア大陸たいりくに棲すむクロテンよりもやや小形こがたです。毛皮けがわを目的もくてきに乱獲らんかくされて数かずが減へったり、また、毛皮けがわのために家畜かちくとして本州ほんしゅうから移入いにゅうされたニホンテンが野生化やせいかし、エゾクロテンとの交雑こうざつが心配しんぱいされたりしています。


【ニホンアナグマ】

ニホンアナグマも日本にほん固有種こゆうしゅ

ニホンアナグマは本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅう、小豆島しょうどしまの森林しんりんや里山さとやまに棲すんでいます。ユーラシア大陸たいりくに広ひろくアナグマは棲息せいそくしてますが、ニホンアナグマは歯はの数かずや生態せいたいなどがそれらと異ことなる日本にほん固有種こゆうしゅです。標高ひょうこうの高たかい地域ちいきにも棲息せいそくしていることが確認かくにんされています。

クマ科かのタヌキに一見いっけん似にているため、地方ちほうによっては「ムジナ」として、タヌキと一緒いっしょに扱あつかわれることがありますが、ニホンアナグマはイタチ科かです。

ニホンアナグマ

ニホンアナグマの特徴とくちょう

ニホンアナグマは体長たいちょう52~68㎝せんちめーとる、体重たいじゅう5~14㎏きろぐらむで、しっかりとした骨格こっかくで四肢ししが太ふとく短みじかく、5本ほんの指ゆびをもち、アナグマという名前なまえの通とおり、穴あなを掘ほる習性しゅうせいがあり、そのために前肢ぜんしの爪つめがとても発達はったつしています。冬ふゆと夏なつでは体からだのサイズが異ことなり、冬ふゆは夏なつの2倍ばい近ちかくまでコロコロに脂肪しぼうを蓄たくわえるものもいます。

巣穴すあなは木きの根元ねもとや倒木とうぼくの陰かげ、草くさむらなどにあり、何世代なんせだいにもわたり使つかいながら、新あたらしい穴あなを掘ほって、出入口でいりぐちを増ふやしています。時間じかんがたつにつれて巣穴すあなは大規模だいきぼなものとなりますが、使つかわない巣穴すあなの一部分いちぶぶんをタヌキがちゃっかりと利用りようするようなこともあり、「同おなじ穴あなのムジナ」(意味いみ:無関係むかんけいのように見みえるけれど、実じつは同類どうるいや仲間なかま であること)という言いい回まわしが生うまれたようです。

気候きこうが暖あたたかな地域ちいきに棲すむニホンアナグマは冬眠とうみんしませんが、寒さむい地域ちいきに棲すむものは冬眠とうみんをします。食性しょくせいはタヌキと似にた雑食性ざっしょくせいで、昆虫こんちゅうやミミズから果実かじつまで何なんでも食たべます。また、タヌキと同おなじように、捕食者ほしょくしゃに出会であったときなど、擬死ぎしをします。擬死ぎしとは「死しんだふり」、つまり「狸寝入たぬきねいり」のこと。これは攻撃こうげきしたり逃走とうそうするのが苦手にがてな生いきものに見みられる自分じぶんの身みを守まもる方法ほうほうで、死しんだふりをすることで捕食ほしょくされるのをまぬがれようとしているのです。

ニホンアナグマは繁殖率はんしょくりつが低ひくく、最近さいきんでは外来種がいらいしゅのアライグマによりニホンアナグマの棲息場所せいそくばしょがおびやかされることも多おおく、地域ちいきによっては絶滅ぜつめつ危惧種きぐしゅや準じゅん絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅに指定していされています。


【オコジョ】

ホンドオコジョとエゾオコジョ

オコジョは、ユーラシア大陸北部たいりくほくぶやアメリカ大陸全域たいりくぜんいき、グリーンランド東部とうぶなど、どちらかと言いえば気温きおんが低ひくい地域ちいきの山地さんちに棲息せいそくしています。その亜種あしゅは約やく35種類しゅるいです。日本にほんに棲すんでいるのは、その内うちの2種類しゅるい - ホンドオコジョとエゾオコジョ -です。

体長たいちょうは16~33cmせんちめーとるほど。イタチ科かの動物どうぶつらしく、胴長短足どうながたんそくの体形たいけいではありますが、後うしろあしが長ながくジャンプが得意とくいで、とてもすばしっこい動うごきをします。愛あいらしい顔かおをしているものの、気性きしょうは荒あらく、小鳥ことりやネズミ、カエルなどの小動物しょうどうぶつだけでなく、自分じぶんより大おおきいノウサギや水鳥みずどり、ライチョウなどを襲おそうこともあります。1年ねんに2回かい、毛けが生はえ変かわり、夏なつは茶色ちゃいろの背中せなかに白しろいお腹なか、冬ふゆは黒くろい尾おの先さき以外いがいは全身ぜんしん真まっ白しろという姿すがたになります。

オコジョ(夏なつ)

ホンドオコジョは東北地方とうほくちほうや中国地方ちゅうごくちほうの山岳地帯さんがくちたいに棲息せいそくしています。体長たいちょうは14~20㎝せんちめーとるほど。一方いっぽうのエゾオコジョが棲息せいそくするのは、北海道ほっかいどうやロシア東部とうぶの高たかく険けわしい山々やまやまがそびえる地域ちいき。ホンドオコジョよりも大おおきくて、体長たいちょう22~24㎝せんちめーとるほどです。どちらも岩いわの割われ目めや木きの洞ほらに巣穴すあなをつくり、暮くらしています。外来種がいらいしゅであるミンクに棲息域せいそくいきを脅おびやかされたり、毛皮けがわをとるために乱獲らんかくされたりして急激きゅうげきに数かずを減へらし、どちらのオコジョも 準じゅん絶滅ぜつめつ危惧種きぐしゅに指定していされています。

オコジョ(冬ふゆ)

【イイズナ】

食肉類しょくにくるいで最小さいしょうの動物どうぶつ

食肉目しょくにくもくで最小さいしょうと言いわれるイイズナは、北きたアフリカや北きたアメリカ、ユーラシア大陸たいりく北部ほくぶの森林しんりんや平野へいやなど、ネズミが豊富ほうふにいる地域ちいきに棲すんでいます。その体長たいちょうは13~20㎝せんちめーとるほど。ネズミの巣穴すあなに侵入しんにゅうできるほどの大おおきさです。オコジョと同おなじように、夏なつは茶色ちゃいろの背中せなかと白しろいお腹なか、冬ふゆは全身ぜんしん真まっ白しろになりますが、その違ちがいは尻尾しっぽ。オコジョの方ほうが倍近ばいちかい長ながさがあり、尻尾しっぽの先さきが黒くろくなっています。また、棲息せいそく地域ちいきもオコジョの方ほうが高所こうしょに棲すんでいるようです。

イイズナ

日本にほんにすむイイズナは2亜種あしゅ

日本にほんにはニホンイイズナとキタイイズナという2亜種あしゅが棲息せいそくしています。ニホンイイズナは青森県あおもりけん、岩手県いわてけん、秋田県あきたけん、キタイイズナは北海道ほっかいどうが棲息地せいそくちです。ニホンイイズナは日本にほん固有亜種こゆうあしゅ、キタイイズナはユーラシア大陸たいりくに棲すむイイズナと同亜種どうあしゅです。

一般的いっぱんてきにオコジョの方ほうがイイズナよりも大おおきいのですが、日本にほんに棲すむオコジョとイイズナは20㎝せんちめーとるほどと違ちがいがありません。


【ミンク(アメリカミンク)
】

北米ほくべいに棲息せいそくするミンク

ミンクはもともとアラスカやカナダ、アメリカ合衆国がっしゅうこく北部ほくぶなど北きたアメリカに棲息せいそくする動物どうぶつです。体長たいちょう36~45㎝せんちめーとる、尾長びちょう30~36㎝せんちめーとる、体重たいじゅう0.7~1㎏きろぐらむほど。ミンク(アメリカミンク)はミンク属ぞくに分類ぶんるいされていますが、ヨーロッパミンクはイタチ属ぞくと別べつの属ぞくに分わけられています。氷河時代ひょうがじだい、アメリカ大陸たいりくから陸続りくつづきだったベーリング海峡かいきょうを通とおりユーラシア大陸たいりくにわたったものがヨーロッパミンクとなったと考かんがえられていてます。名前なまえこそ両方りょうほうに「ミンク」とついていますが、アメリカミンクとヨーロッパミンクは近縁きんえんではないとされています。


美うつくしい毛皮けがわのため輸入ゆにゅうされ、野生化やせいか

ミンクは、光ひかりによって様々さまざまな色合いろあいを見みせる美うつくしい体毛たいもうを持もつことで知しられています。ヨーロッパや日本にほんではこの毛皮けがわのためにミンクを輸入ゆにゅうし、養殖ようしょくを進すすめてきました。その結果けっか、逃にげて野生化やせいかしたミンクがもともといる動物どうぶつを脅おびやかしたり、水辺みずべを好このみ、攻撃的こうげきてきで色々いろいろな生物せいぶつを捕食ほしょくするために地元じもとの漁業ぎょぎょうなどにも影響えいきょうをおよぼすほどになっています。国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうしょの「侵入動物しんにゅうどうぶつデータベース」によると、北海道ほっかいどうだけでなく、宮城みやぎや福島ふくしま、群馬ぐんま、長野ながのの一部いちぶでもミンクの野生化やせいかが確認かくにんされています。

ミンク(北海道ほっかいどう)

ニホンカワウソってもういないの?

2012年ねんに環境省かんきょうしょうがニホンカワウソを絶滅ぜつめつに指定していしてから、いくつかの目撃もくげきしたという情報じょうほうが自治体じちたいなどに寄よせられているものの、ニホンカワウソが今いまも棲息せいそくしているという確証かくしょうをつかむところまでは至いたっていません。

ニホンカワウソ(切手きって)

ニホンカワウソの特徴とくちょう

ニホンカワウソは体長たいちょう55~58cmせんちめーとる、尾長びちょう35~56cmせんちめーとる、体重たいじゅう4~11kgきろぐらむほどで、切手きっての絵えのように背中せなかが黒くろっぽい茶色ちゃいろ、お腹なかの部分ぶぶんはうすい茶色ちゃいろ。夜行性やこうせいで昼間ひるまは陸上りくじょうの岩いわと岩いわの間あいだの茂しげみに何箇所なんかしょか決きめた場所ばしょで睡眠すいみんをとり、夜よるに川かわに入はいって魚さかなやエビ、カニ、カエルなどを捕つかまえて食たべていたようです。

ニホンカワウソは明治時代めいじじだいには日本にほんの川かわの流域りゅういきや沿岸えんがんに多おおく棲息せいそくする、日本人にほんじんには馴染なじみ深ぶかい動物どうぶつだったのです。日本にぼん固有種こゆうしゅとする説せつもあれば、アジアからヨーロッパに広ひろく棲息せいそくするユーラシアカワウソの亜種あしゅとする説せつもあります。


どうして絶滅ぜつめつしてしまったんだろう?

質しつの良よい毛皮かげわ、そして結核けっかくという病気びょうきに効きくと考かんがえられていた肝きもをとるために大量たいりょうに捕獲ほかくされ、どんどん個体数こたいすうが減へっていきました。1964年、天然てんねん記念物きねんぶつ、その翌年よくねんには特別とくべつ天然てんねん記念物きねんぶつに指定していされたものの、水質すいしつの悪化あっかなどによってニホンカワウソが棲息せいそくできる地域ちいきは少すくなくなり、ついに絶滅ぜつめつしてしまったのです。北海道ほっかいどうにもかつてはニホンカワウソが棲すんでいて、本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅう、そして長崎県ながさきけんの壱岐島いきのしまと対馬島つしまとうに棲息せいそくしていたニホンカワウソとは別べつの亜種あしゅとされています。しかし、標本ひょうほんの数かずがとても少すくなく、しかも絶滅ぜつめつしているため、まだはっきりとしたことはわかっていません。


もしかしたら、絶滅ぜつめつしていないかも⁉︎

対馬島つしまとうや高知県こうちけんでニホンカワウソを目撃もくげきしたというニュースを時々ときどき聞ききます。しかし、それがニホンカワウソであるか、もしくは大陸たいりくに棲すむカワウソが何なんらかの方法ほうほうで渡わたってきて、そのまま居いついているのかはまだはっきりとしていません。幻まぼろしのニホンカワウソを求もとめ、多おおくの人ひとたちが今いまも各地かくちで奮闘ふんとうを続つづけているのです。


ペットして人気にんきのフェレット ー 自然しぜんの中なかで見みることはできるの?

残念ざんねんながら、野生やせいのフェレットは存在そんざいしないのです。


実じつはフェレットは・・・

フェレットはヨーロッパの森林しんりんや草原そうげんに棲すむヨーロッパケナガイタチを家畜化かちくかしたものであると言いわれています。今いまから3,000年ねんも昔むかしの古代こだいエジプト時代じだいにはもうペットとして飼かわれていたようです。フェレットは陽気ようきな性格せいかく。イエイヌのように人間にんげんの言いうことをきくわけではないけど、人間にんげんに懐なつきやすく、しかも細長ほそながい体からだをしているので、狩かりのとき、巣穴すあなに隠かくれているウサギを追おい立たてたり、煙突えんとつの掃除そうじをするのに利用りようされたりしていました。

フェレット

現在げんざいでは姿すがたかたちの可愛かわいらしさに加くわえ、大おおきな声こえで鳴なくこともなく静しずかで、散歩さんぽに行いく手間てまもないことからペットとして大人気だいにんきです。しかし、フェレットも食肉目しょくにくもくの動物どうぶつです。凶暴きょうぼうな一面いちめんもあるので、咬かまれないように注意ちゅういする必要ひつようがあります。また、自然しぜんの中なかに逃にげ込こんで野生化やせいかしてしまうようなことのないよう、きちんと管理かんりすることを忘わすれずに。

イタチ科か動物どうぶつの体からだの不思議ふしぎ

種類しゅるいが多おおく、特徴とくちょうもさまざま

イタチ科かの動物どうぶつは種類しゅるいがとても多おおいため、大おおきさも体長たいちょう17~150㎝せんちめーとるとまちまち。オスとメスではオスの方ほうが体格たいかくがよく、オスメスともに細長ほそながい体からだと短みじかい四肢ししが特徴とくちょうです。食肉目しょくにくもくの多おおくの動物どうぶつの指ゆびが4本ほんですが、イタチ科かは5本ほんです。それぞれの指ゆびにはしっかりとした爪つめがついていますが、ツメナシカワウソのように前まえあしに爪つめのない種類しゅるいもいます。

生態せいたいも様々さまざまで、夜行性やこうせいが多おおいながらも昼行性ちゅうこうせいのものもいます。また、食肉目しょくにくもくだけに肉食にくしょくがメインですが、果実かじつなどを食たべる種類しゅるいもいます。


オナラのこと

イタチ科かのもうひとつの特徴とくちょうは、オナラをすること。肛門こうもんの両側りょうがわに肛門腺こうもんせんというところ(分泌腺ぶんぴつせん)があって、敵てきに襲おそわれた時ときなどに強烈きょうれつなにおいがする液えきを噴射ふんしゃします。日本にほん には「イタチの最後さいごっ屁ぺ」という言葉ことばがあります。これは、人ひとがどうしようもない時とき、苦くるし紛まぎれ使つかう最後さいごの手段しゅだんのこと。これはイタチ科かの動物どうぶつが危険きけんに直面ちょくめんしたとき、肛門腺こうもんせんからとても臭くさい液えきを出だし、相手あいてがその臭くささにひるんでいる隙すきに逃にげることから来きているのですね。

オナガオコジョ