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けもの塾とは
「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)の監修で知られる今泉忠明は、日本を代表する動物学者。これまで積み重ねてきた研究の成果や溢れるほど豊かな動物に関する知識を書籍などで発表するほか、70代半ばを過ぎたとなった今も自然の中に積極的に出かけ、そこに棲む動物たちの現地調査を行っています。
「けもの塾」は、そんな今泉忠明が長年あたためてきたフィールドワークのための教室です。自然の中に生きる動物にはまだまだ分からないことが沢山あり、それを実際、自分の手と足、そして五感を使って解き明かしていく―そうすることで、知ることの喜び、何よりも自然と動物への思いが深まると今泉忠明は考えています。
けもの塾のこと
森に入ると「けもの道」があります。それは地球上に動物が現れたとき以来、彼らが使い続けてきた踏み跡です。動物は安全で歩きやすいところを選んで歩くから、自然と踏み跡ができるのです。その跡をたどって狩人が、塩や石器などの材料を探す人たちが、そして木の実や山菜などの旬の食べ物探しの人たちが森に入っていき、やがてはっきりとした小径ができたのです。今でこそ高速道路や国道など立派な道がありますが、道路の最初はけもの道だったのです。
今、道のない森の奥に入ると、いつの間にか、けもの道を歩いていることに気づきます。人もまた自然に入ると安全そうで歩きやすいところを選ぶからです。現代人も大昔の人と同じなのですね。私は、けもの道を注意してあたりをじっくり観察しながら、どんな動物が通ったのだろう、何か落し物はないかな、どこへ向かったのだろう、などと思いをめぐらせながらゆっくり歩きます。地面を見て、リスの食べかすやモグラ塚、小さな生き物たちの痕跡と気配を探します。梢を見上げ木の葉と小鳥の影を見つめます。日の光を顔に受け木漏れ日を感じます。耳を澄ませて風や渓流の音を聞き、森の香りのする空気を胸いっぱいに吸い込みます。全身で森を感じながら歩くのです。この中に自分だけが感じるものがあります。
けもの道を歩くことを繰り返すことで森の四季、朝と夕方、昼と夜、晴れの日や雨の日の色や温度を感じとります。大きな豊かさある自然、そんな自然の中に浸かっている自分を感じるようになるでしょう。私はこの感性がとても大切だと考えています。特に未来に生きる子どもたちは鋭い感性をもっていますから、子どもたちにこの感覚を伝えたいと思っています。将来どのような仕事に就こうとも、全身で感 じた経験は大人になっても心の底に残っているものです。自分にとって大切な何かを……人によってそれぞれで少しずつ違いますが……見つけるでしょう。
けもの塾はそのような子どもたちが楽しく体験する場です。先生は森や自然です。ぜひ参加してみませんか。
今泉忠明
(いまいずみ ただあき)
1944年 動物学者の今泉吉典の二男として、東京都杉並区阿佐ヶ谷に生まれる。
父親、そしてその手伝いをする兄の影響を受けながら動物三昧の子供時代を過ごす。
水生生物に興味を抱き、東京水産大学(現・東京海洋大学)に進学。卒業後、国立科学博物館所属の動物学者として働く父親の誘いを受け、特別研究生として哺乳類の生態調査に参加し、哺乳類の生態学、分類学を学ぶ。
その後、文部省(現・文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、日本列島総合調査、環境省のイリオモテヤマネコ生態調査などに参加。上野動物園動物解説員、(社)富士市自然動物園協会研究員、伊豆高原ねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長などを歴任。
主な著書に「誰も知らない動物の見方~動物行動学入門」(ナツメ社)、「巣の大研究」(PHP研究所)、「小さき生物たちの大いなる新技術」(ベスト新書)、「ボクの先生は動物たち」(ハッピーオウル社)、「動物たちのウンコロジー」(明治書院)、監修書に「世界の危険生物」(学研教育出版)、「なぜ?の図鑑」(学研教育出版)、「ざんねんないきもの事典シリーズ」(高橋書店)ほか多数がある。
ロゴマーク・キャラクターのデザインについて

「けもの塾」のロゴマークとキャラクターデザインを手掛けたのは、イラストレーター、グラフィックデザイナー、アートディレクターとして様々なメディアでビジュアルを担当し、現在ではJohnny Mnemonicの名前でコンテンポラリーアート作品を発表する対比地一正(ツイヒジ カズマサ)氏です。
1980 | 日本大学芸術学部在学中よりフリーランス・イラストレーターとしてのキャリアをスタート。その後あらゆるメディアで視覚伝達の仕事に携わる。 |
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1981 | New York ・THE SOCIETY OF ILLUSTRATORS 23 INTERNATIONAL EXHIBITIONにおいてEXCELLENCE AWARD を受賞。 |
1983 | SOLO EXHIBITION/DENTSU GALLERY |
1984 | 朝日広告賞・表現技術部門賞(イラストレーション) |
1984〜1995 | 日本大学芸術学部美術学科・非常勤講師(1995年まで) |
1985 | 朝日広告賞・不動産部門賞 |
1986 | SOLO EXHIBITION/GINZA ART GALLERY |
1987〜1998 | WALT DISNEY ENTERPRISE JAPAN・オーソライズドアーティスト(フィニッシング) |
1989 | アートレップ・ファンデーション(New York City)に作家登録。海外での活動を開始する。 |
1991 | 第8回ATP賞・グランプリ(フジテレビ・『カノッサの屈辱』美術担当) |
1994 | SOLO EXHIBITION/SPACE YUI (ARTWORK BY KAZUMASA TSUIHIJI) |
1995 | SOLO EXHIBITION・PINPOINT GALLERY (WINGS) |
1995 | 第12回ATP賞・グランプリ(フジテレビ・『料理の鉄人』美術担当) |
2000 | FICCE UOMO・オーソライズドデザイナー(グラフィック) |
2000 | SIEGRAPHオープニングムービーを制作 |
2000〜2003 | S2EDITION (New York City) 及び KS fine art (New York City) のプロデュースにより、全米アートショウに出品他 多数 |
2006〜 | Johnny Mnemonicとしてコンテンポラリーアートカテゴリーの作品制作を開始する |
2021 | 没 |