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けもの塾

ネコ

家いえにいるネコはもちろん、トラやライオン、ヒョウなどのネコ科動物かどうぶつはしなやかでクール、そしてちょっと可愛かわいい。

家いえで飼かっているネコ(イエネコ)は、分類学的ぶんるいがくてきには「食肉目しょくにくもく(ネコ目もく)―ネコ亜目あもく―ネコ上科じょうか―ネコ科か―ネコ族ぞく―ネコ属ぞく―イエネコ」となります。食肉目しょくにくもくはネコ目もくともいわれ、ネコ亜目あもくの他ほかに「イヌ亜目あもく」があり、この「イヌ亜目あもく」の中なかに「イヌ下目かもく」と「クマ下目かもく」があるのです。

ここでは、ネコ科かの動物どうぶつを取とり上あげます。ネコ科かには大おおきいものはトラやライオン、そして小ちいさいものは野生種やせいしゅではマレーヤマネコやクロアシネコがあり、イエネコの祖先そせんである野生種やせいしゅのヨーロッパヤマネコの亜種あしゅリビアヤマネコを入れると合計ごうけい38種しゅが入ります。

さあ、ネコ科かの動物どうぶつをくわしく調しらべてみましょう!

 

いつからネコ科かの動物どうぶつは地球ちきゅうにいるの?

食肉類しょくにくというのは、肉にくを噛かみ切きるため、奥おくの臼歯きゅうしの縁ふちが鋭するどいハサミのような形かたちとなった「裂肉歯れつにくし」を備そなえていることが条件じょうけんということに触ふれておきます。食肉類しょくにくるいのの上顎じょうがく(うわあご)では一番奥いちばんおくの前臼歯ぜんきゅうしが、下顎かがく(したあご) では一番前いちばんまえの臼歯きゅうしが裂肉歯れつにくしになっています。イヌやネコが肉にく をかみ切きる様子ようすを観察かんさつすると、やや顔かおを傾かたむけて、上うえの顎あごの一番奥いちばんおくと下したの顎あごの一番前いちばんまえの臼歯きゅうしにある「裂肉歯れつにくし」に食たべ物ものが当あたるように調整ちょうせいしていることに気きがつくと思おもいます。進化しんかの歴史れきしを考かんがえるとき、「肉歯類にくしるい」と「食肉類しょくにくるい」という言葉ことばが出でてきます。どちらも肉食にくしょくだけれども、ヒアエノドンやオキシエナなどの肉歯類にくしるいが栄さかえていた年代ねんだいの方ほうが古ふるく、大型おおがたで、「裂肉歯れつにくし」の位置いちが食肉類しょくにくるいと違ちがい、もっと奥おくにありました。この微妙びみょうな位置いちの違ちがいが、後のちに肉歯類にくしるいの絶滅ぜつめつという 現象げんしょうを引ひき起おこしたのです。

ネコやイヌ、そしてアシカなど、現在げんざいの食肉目しょくにくもくに属ぞくする動物どうぶつの祖先そせんは、北きたアメリカやヨーロッパに棲息せいそくしていたミアキス(Miacis/「動物どうぶつの母はは」という意味いみ)であるとされています。化石かせきによれば、ミアキスは体長たいちょうが約やく20~30㎝せんちめーとる程度ていどのイタチに似にた小形こがたの肉食動物にくしょくどうぶつで、恐竜きょうりゅうが絶滅ぜつめつをした後あと、約やく6,500〜4,800万年前まんねんまえに棲息していました。地上ちじょうはミアキスよりも大おおきな肉食動物にくしょくどうぶつ「肉歯類にくしるい」が繁栄はんえいをしていました。そのため、ミアキスは樹上じゅじょうにて鳥類ちょうるいや爬虫類はちゅうるい、昆虫類こんちゅうるいや齧歯類げっしるいの祖先そせんとも言いわれるパラミスなどを食たべていたと考かんがえられています。このミアキスは、現在げんざいのネコ科かの動物どうぶつのように引ひっ込こめることのできるかぎ爪づめ、そして犬inuに似にた骨盤こつばんをもっていたようです。

やがて、個体数こたいすうの増加ぞうかなどにより樹上じゅじょうでも生存競争せいぞんきょうそうが激はげしくなり、森もりを離はなれて平原へいげんに出でたミアキスがイヌの祖先そせん、森もりに残のこったミアキスがやがてネコの祖先そせんに進化しんかしていったと考かんがえられています。

今いまから約やく2,500万年前まんねんまえには、ヨーロッパからアジアにプロアイルルス(Ploailurus)という現在げんざいのジャコウネコに似にた肉食獣にくしょくじゅうが棲息せいそくし、1,000万年前まんねんまえから1,500万年前まんねんまえのユーラシア大陸には、ヒョウに似にたプセウダエルルス(Pseudaelurus)という俊敏しゅんびんな動うごきをする動物どうぶつが棲息せいそくしていたことがわかっています。このプロアイルルスがネコ科動物かどうぶつの祖先そせんである可能性かのうせいが高たかく、長ながい牙きばが特徴とくちょうの絶滅種ぜつめつしゅスミロドン(Smilodon/サーベルタイガー)はプロアイルルスから進化しんかを繰くり返かえして誕生たんじょうしたのです。プロアイルルスからは牙きばの短みじいプセウダエルルス(Pseudaelurus)が分岐ぶんきし、多種多様たしゅたような進化しんかを遂とげ、オーストラリアと南極大陸なんきょくたいりくをのぞく地域ちいきに広ひろがっていったのが現生げんせいのネコ類るいだと考かんがえられています。

サーベルタイガー(イメージ)

このように、ネコ科動物かどうぶつの祖先そせんは人間にんげんが誕生たんじょうする1,000万年以上まんねんいじょうも前まえから地球ちきゅうにいたことになります。小ちいさなミアキスから長ながい長ながい時ときをかけて巨大化きょだいかし、その土地とちに適応てきおうした体からだに進化しんかを遂とげ、現在げんざいの40種しゅのネコ科動物かどうぶつに至いた ったのです。

 

生態系せいたいけいからネコ科か動物どうぶつのことを考かんがえてみよう

ネコ科かの動物どうぶつはすべてが捕食者ほしょくしゃ(プレデター)。つまり、ハンターなのです。素早すばやい動うごきで逃にげまどう小動物しょうどうぶつを捕つかまえる姿すがたを見みて、残酷ざんこくなイメージを抱いだく人ひともいるかと思おもいます。しかし、生態系せいたいけいのでこれらのネコ科動物かどうぶつが果はたす役割やくわりには、動物どうぶつの数かずのバランスを保たもつという重要じゅうような側面そくめんがあります。命いのちのあるものを捕食ほしょく(食た べる)と被食ひしょく(食たべられる)の関係かんけいで位置いちづけていくと鎖くさりのようにつながることから、この関係かんけいを食物連鎖しょくもつれんさと呼よびます。ネコ科かの動物どうぶつはそれぞれの生息地域せいそくちいきで陸上生態系りくじょうせいたいけいの食物連鎖しょくもつれんさの頂点ちょうてんに立たっています。頂点ちょうてんに立たっているということは、ネコ科かの動物どうぶつを捕食ほしょくする動物どうぶつはいないということです。

生態系せいたいけいの中なかでそのような位置いちづけにあるネコ科かの動物どうぶつですが、実際じっさいはイエネコを除のぞき、多おおくの野生種やせいしゅが自然環境しぜんかんきょうの変化へんかや毛皮けがわなどを目的もくてきとした乱獲らんかくのために数かずを減へらし、10数種すうしゅ以上いじょうのネコ科動物かどうぶつが絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅに指定していされ、保護区ほごくの中なかで守まもられながら棲息せいそくしている状況じょうきょうにあるのです。

また、ネコ科動物かどうぶつは夜行性やこうせいが多おおく、また森もりの奥おくで単独たんどくで行動こうどうしていることから、頭数とうすうの把握はあくは難むずかしく、本当ほんとうにどれくらいの数かずしか棲息せいそくしていないのか不明ふめいです。また、それらのネコ科動物かどうぶつが棲息せいそくしている国々くにぐには経済的けいざいてきに困窮こんきゅうしていることも多おおく、今後こんご、どのように保護ほごをしていくのかが大おおきな課題かだいとなっているのです。

ケニアのマサイマラ国立保護こくりつほごく

 

世界せかいのネコ科動物かどうぶつを調しらべてみよう

他ほかの多おおくの野生生物やせいせいぶつと同様どうよう、ネコ科かの動物どうぶつも絶滅ぜつめつの危機ききに瀕ひんした種類しゅるいも多おおく、実際じっさいには絶滅しぜつめつしてしまった種類しゅるいもいるほどです。

では現在げんざい、世界せかいに棲息せいそくが確認かくにんされているネコ科かの40種類しゅるいをみてみましょう。

【ネコ科かの動物どうぶつ】

[ ]内ないの表示ひょうじは、棲息地せいそくち/成獣せいじゅうの平均体重へいきんたいじゅう(kgきろぐらむ)

ネコ亜科あか(Felinae)
チーター属ぞく (Acinonyx)
○チーター(A. jubatus)[アフリカ、イラン北部ほくぶ/21~72㎏]

カラカル属ぞく(Caracal)
○アフリカゴールデンキャット(C. aurata)[セネガルからザイール、ケニア/11㎏]
○カラカル(C. caracal)[セネガルからザイール、ケニア/12㎏]

カラカル

アジアゴールデンキャット属ぞく(Catopuma)
○ボルネオヤマネコ(C. badia)[インドネシア、ボルネオ島とう/3~4㎏]
○アジアゴールデンキャット(C. temminckii)[ネパール、中国南部ちゅうごくなんぶからスマトラ/7.7㎏]

ネコ属ぞく(Felis)
○ハイイロネコ(F. bieti)[中国西部ちゅうごくせいぶ/5.5㎏]
○イエネコ(F. catus)[世界中せかいじゅう/3.6~4.5㎏]
○ジャングルキャット(F. chaus)[エジプトからインドシナ半島はんとう、スリランカ]
○スナネコ(F. margarita)[アフリカ北部せいぶ、西にしアジア、中央ちゅうおうアジア/2.8㎏]
○クロアシネコ(F. nigripes)[南部なんぶアフリカ/1.9㎏]
○ヨーロッパヤマネコ(F. silvestris)[ヨーロッパからシベリア中部ちゅうぶ、トルキスタン/3.5~6.8㎏]

スナネコ

ジャガランディ属ぞく(Herpailurus)
○ジャガランディ(H. yagouaroundi)[アリゾナからアルゼンチン北部ほくぶ/6.9㎏] 

ジャガランディ

オセロット属ぞく(Leopardus)
○パンタナルネコ(L. braccatus)[南みなみアメリカ/3㎏]
○コロコロ(L. colocolo)[南みなみアメリカ/3.5~6.6㎏]
○ジョフロワネコ(L. geoffroyi)[南みなみアメリカ/4㎏]
○コドコド(L. guigna)[アルゼンチン南西部なんせいぶ、チリ南部なんぶ/2.2㎏]
○アンデスネコ(L. jacobitus)[南米なんべいアンデス高地こうち/8.1㎏]
○パンパスネコ(L. pajeros)[南米なんべいアンデス山地さんち/3.9㎏]
○オセロット(L. pardalis)[中央ちゅうおうアメリカからアルゼンチン北部ほくぶ/8~20㎏]
○ジャガーネコ(L. tigrinus)[北きたアメリカ大陸南部たいりくなんぶ、南みなみアメリカ大陸たいりく/2.2㎏]
○マーゲイ(L. wiedii)[メキシコ、中央ちゅうおうアメリカ、南みなみアメリカ/3.6㎏]

ジョフロワネコ

サーバル属ぞく(Leptailurus)
○サーバル(L. serval)[アフリカ/12㎏]

サーバル

オオヤマネコ属ぞく(Lynx)
○カナダオオヤマネコ(L. canadensis)[アラスカ、カナダ、アメリカ北部ほくぶ/8~11㎏]
○オオヤマネコ(L. lynx)[西にしヨーロッパからシベリア/18~30㎏]
○スペインオオヤマネコ(L. pardinus)[スペイン南西部なんせいぶ/13㎏]
○ボブキャット(L. rufus)[カナダ南部なんぶからメキシコ南部なんぶ/8.6㎏]

カナダオオヤマネコ

マヌルネコ属ぞく(Otocolobus)
○マヌルネコ(O. manul)[シベリア南部なんぶ、アジア中央部ちゅうおうぶからイラン、アフガニスタン/3㎏

マヌルネコ

マーブルキャット属ぞく(Pardofelis)
○マーブルキャット(P. marmorata)[インド北東部ほくとうぶ、東南とうなんアジア/2~5㎏]

ベンガルヤマネコ属ぞく(Prionailurus)
○ベンガルヤマネコ(P. bengalensis)[朝鮮半島ちょうせんはんとうから中国ちゅうごく・東南とうなんアジア・インド/3~5㎏]
○イリオモテヤマネコ(P. iriomotensis)[日本にほん・西表島いりおもてじま/3.5~4.5kg]
○マライヤマネコ(P. planiceps)[マレーシア、インドネシア、ブルネイ、タイ南部なんぶ/3.5㎏]
○サビイロネコ(P. rubiginosus)[インド南部なんぶ、スリランカ/1.4㎏]
○スナドリネコ(P. viverrinus)[ジャワ、スマトラから中国南部ちゅうごくなんぶ、インド/8.8㎏]

スナドリネコ

ピューマ属ぞく(Puma)
○ピューマ(P. concolor)[カナダ南部なんぶからパタゴニア/53~100㎏]

ヒョウ亜科あか(Pantherinae)
ウンピョウ属ぞく(Neofelis)
○ウンピョウ(N. nebulosa)[中国南部ちゅうごくなんぶからスマトラ/12~23㎏]

ウンピョウ

ヒョウ属ぞく(Panthera)
○ライオン(P. leo )[南部なんぶのアフリカ、一部いちぶインド/190㎏]
○ジャガー(P. onca)[メキシコ北部ほくぶからアルゼンチン北部ほくぶ/56~96㎏)
○ヒョウ(P. pardus)[サハラ以南いなんのアフリカ、南みなみアジア、北きたアフリカ、アラビア、極東きょくとう/31㎏]
○トラ(P.  tigris)[インド、ネパール、中国南部ちゅうごくなんぶ、アムール、インドネシア/90~310㎏]

ユキヒョウ属ぞく(Panthera)
○ユキヒョウ(P. uncia)[ヒマラヤから中央ちゅうおうアジア/32㎏]

ユキヒョウ

 

日本にほんにはどんなネコ科動物かどうぶつがいるの?

日本にほんに棲息せいそくする野生やせいのネコ科動物かどうぶつはツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの2種しゅのみ。名前なまえの通とおり、ツシマヤマネコは長崎県ながさきけんの対馬つしま、イリオモテヤマネコは沖縄県おきなわけんの西表島いりおもてじまだけに棲息せいそくしています。

対馬つしまのツシマヤマネコは、ロシア極東部きょくとうぶから中国ちゅうごく、そしてインド、東南とうなんアジアの一部いちぶまで広ひろく棲息せいそくするベンガルヤマネコ(あるいはアムールヤマネコ)の亜種あしゅとされ、今いまから10万年前まんねんまえから20万年前まんねんまえに陸続りくつづきであった大陸たいりくから朝鮮半島ちょうせんはんとう経由けいゆで移動いどうしてきて、現在げんざいまで生いき延のびてきたと考かんがえられています。

ツシマヤマネコ

西表島イリオモテジマのイリオモテヤマネコはおそらく300万年以上前まんねんいじょうまえにアジア大陸たいりくと陸続りくつづきだったころ日本にほんに入はいったと考かんがえられています。八重山地方やえやまちほう特有とくゆうのサキシマハブ(イリオモテヤマネコの天敵てんてき)などの分布ぶんぷ から考かんがえると、台湾たいわんからではなく琉球列島りゅうきゅうれっとうの中央部ちゅうおうぶあたりを通とおってきたようです。

イリオモテヤマネコ

本州ほんしゅう・四国しこく・九州きゅうしゅうにヤマネコが棲息せいそくしない理由りゆうは不明ふめいですが、九州きゅうしゅうとは海うみで隔へだてられていたことや、他ほかの地域ちいきでもヤマネコ類るいの化石かせきは出でるので、環境かんきょうの変化へんかなどがあったのが原因げんいんかもしれません。

ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコは、イエネコを一回ひとまわり大おおきくしたようなサイズで、耳みみが小ちいさく、先端せんたんが丸まるくなっているのが特徴とくちょうです。尻尾しっぽが太ふとくて長ながく、胴長短足どうながたんそく。はっきりしないもののトラのような模様もようの体毛たいもうに覆おおわれています。

 

「平原へいげんの王おう」ライオンと「密林みつりんの王」トラ

アフリカのサバンナに威風堂々いふうどうどうとした姿すがたでたたずむ雄おすライオンの姿すがたはまさに「百獣ひゃくじゅうの王おう」の風格ふうかく。実じつは体からだの大おおきさで言いえば、ネコ科かで一番大いちばんおおきいのがトラ、その次つぎがライオンです。(ライオンは140~250cmせんちめーとる、尾長びちょう70~105cmせんちめーとる、肩高けんこう105〜125cmせんちめーとる、体重たいじゅう120~250kgきろぐらむです。一方いっぽう、トラは体長たいちょう140~280cmせんちめーとる、尾長びちょう60~110cmせんちめーとる、肩高けんこう80~110cmせんちめーとる、体重たいじゅう65~306kgきろぐらむもあります)。

【ライオン】
他ほかのネコ科動物かどうぶつのほとんどが集団しゅうだんを作つくらず、単独たんどくで行動こうどうをするのと異ことなり、ライオンは群むれで生活せいかつをしています。集団しゅうだんのボスであり、用心棒的ようじんぼうてきな存在そんざいでもある雄おすライオンのあの立派りっぱなたてがみは、テストステロンというホルモンが影響えいきょうしています。他ほかの雄おすライオンとの戦たたかいに勝かつことでホルモンが体内たいないで生成せいせいされ、たてがみを濃こくしていきます。ふさふさと豊ゆたかで深ふかみのある色いろのたてがみは強つよい雄おすライオンであることのシンボルであり、雌めすライオンも強つよい子孫しそんを残のこすために、たてがみの立派りっぱな雄おすライオンを選えらぶのです。また、このたてがみには、急所きゅうしょである首くびを相手あいてのパンチと牙きばから守まもるという働はたらきもあります。

メスとオスの外見がいけんだけでなく、役割やくわりが大おおきく異ことなるのも、他ほかのネコ科動物かどうぶつにはない特徴とくちょうです。一見いっけん、家族かぞくで暮くらしているイメージのあるライオンですが、実際じっさいにはメスが集団しゅうだんの中心ちゅうしんであり、オスはその周辺しゅうへんで群むれに入はいったり、離はなれて他ほかの雄おすと戦たたかったり、他ほかの雄おすと別べつの集団しゅうだんを作つくったりしています。雄おすの子こどもは最初さいしょ、群むれで母親ははおやや兄弟きょうだいと暮くらしていますが、やがて、父親ちちおやにライバルとして群むれを追おい出だされ、厳きびしい生活せいかつを送おくりながら、大人おとなへと成長せいちょうしていくのです。

ライオン

 

一方いっぽう、アジアの森林地帯しんりんちたいに棲息せいそくするトラは、その美うつくしい縞模様しまもようと立派りっぱな体からだつきが魅力みりょくのネコ科最大かさいだいの動物どうぶつです。かつては熱帯雨林ねったいうりんからマングローブの湿地しっち、そして極寒ごっかんのシベリアのカバノキ林ばやし、ヒマラヤ山麓さんろくの森もりにまで、9種類しゅるい (亜種あしゅ)のトラが数多かずおおく棲息せいそくしていました。その数かずは10万頭まんとう にのぼったのではないかと考かんがえられています。しかし、他ほかの野生動物やせいせいぶつと同おなじように極端きょくたんに数かずを減へらし、バリトラ(インドネシアのバリ島とうに棲息せいそくしていたトラ)、カスピトラ(別名べつめいペルシャトラ/カスピ海沿岸地域かいえんがんちいきに棲息せいそくしていたトラ)、ジャワトラ(インドネシアのジャワ島とうに棲息せいそくしていたトラ)はすでに絶滅ぜつめつし、アモイトラ(中国南部ちゅうごくなんぶに棲息せいそくしていたトラ)も野生やせいではすでに絶滅ぜつめつしたと言いwわれています。現在げんざいは、ベンガルトラ(インド・ネパール・ブータン・バングラデシュに棲息せいそくするトラ)、アムールトラ(ロシア東部とうぶ・中国ちゅうごく東北部ほくとうぶに棲息せいそくするトラ)、インドシナトラ(タイ・ミャンマー・ラオス・ベトナム・中国ちゅうごく南西部なんせいぶに棲息せいそくするトラ)、スマトラトラ(インドネシアのスマトラ島とうに棲息せいそくするトラ)、マレートラ(マレーシアに棲息せいそくするトラ)が3,000頭前後とうぜんご、棲息せいそくするのみとなっています。

トラはネコ科動物かどうぶつの中なかでは珍めずらしく水みずが好すきで、泳およぎが得意とくい。大型おおがたの獲物えものが獲とれないときには、川かわに入はいり、魚さかなやカエル、カメ、そしてワニなども捕つかまえ、食たべることがあります。トラは木きのかげや草木くさきの茂しげみにかくれ、一気いっきにその強つよくて大おおきい前足まえあしと爪つめ、それと牙きばを使つかい、獲物えものを仕留しとめます。トラが獲物えものとする草食動物そうしょくどうぶつは色いろを認識にんしきすることができない(色盲しきもう)ため、縦たてに伸のびる草木くさきや樹木じゅもくの中なかでトラのあの美うつくしい体毛たいもうが目立めだつことはありません。縦縞模様しまもようにもそうした理由りゆうがあるのです。それでは、あの毛けの下したの皮膚ひふはどうなっているのでしょうか。答こたえは、やはり縞模様しまもようです。

アムールトラ

動物園どうぶつえんでは、ライオンとトラを同時どうじに見みることができますが、自然界しぜんかいでは、棲息せいそくする地域ちいきや環境かんきょうが違ちがうため、ライオンとトラが出会であうことはありません。インドに棲息せいそくするインドライオンとベンガルトラであっても、それぞれの棲息地せいそくちはかなり離はなれているため、この2種しゅが出会であうことはないのです。

 

一番小いちばんちいさいネコ科動物かどうぶつは?

それでは、今度こんどは世界最小せかいさいしょうのネコ科動物かどうぶつをみてみましょう。超小型ちょうこがたなのは、サビイロネコとクロアシネコ。ライオンの200分ぶんの1程度ていどの重おもさしかありません。大人おとなになっても、生後せいご3か月げつほどのイエネコの子猫こねこと同おなじくらいのサイズ。生うまれたてはネズミくらいの大おおきさです。

サビイロネコは、体長たいちょう35~48cmせんちめーとる、尾長びちょう15~25cmせんちめーとる、体重たいじゅう1.1~1.6kgきろぐらむで、インド南部なんぶの熱帯林ねったいりんや草原そうげん、スリランカの熱帯林ねったいりんの樹上じゅじょうに棲すみ、夜間やかん、人間にんげんの6倍ばいもある視力しりょくで、小ちいさなトカゲや昆虫こんちゅう、小動物しょうどうぶつを捕つかまえて生活せいかつをしています。サビイロ(錆色さびいろ)とは、鉄てつがさびたような赤茶色あかちゃいろのこと。この錆色さびいろの斑点はんてんが背中せなかと脇腹わきばらに並ならんでいます。とても可愛かわいらしい顔かおで、陽気ようきな性格せいかく。しかし、絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅに指定していされており、日本にほんでペットとして飼かうことはできないだけでなく、世界中せかいじゅうの動物園どうぶつえんでなんとか頭数とうすうを増ふやそうと、懸命けんめいな努力どりょくが続つづけられているのです。

サビイロネコ

サビイロネコと並ならんで最小さいしょうのネコ科動物かどうぶつと言いわれるクロアシネコは、アフリカ南部なんぶに棲息せいそくしています。体長たいちょう32~50cmせんちめーとる、尾長びちょう15~20cmせんちめーとる、体重たいじゅうは1.5~2.8kgきろぐらむ。その名なの通とおり、黒くろい足裏あしうらが特徴とくちょうです。南みなみアフリカのカラハリ砂漠さばくの半砂漠地帯はんさばくちたいやサバンナ地帯ちたい(熱帯草原地帯ねったいそうげんちたい)に棲すんでいます。とても気温きおんが高たかい地域ちいきのため、岩陰いわかげや低木ていぼくの陰かげ、シロアリの塚つかや他ほかの動物どうぶつが残のこした穴あなに身みを隠かくしています。体重たいじゅうの6分ぶんの1にもあたる量りょうを1日にちで食たべるほどで、ネズミなどの小鳥ことりなどの小動物しょうどうぶつやもちろん、自分じぶんよりも大おおきなノウサギや鳥とりも襲おそうことがあります。性格せいかくは獰猛どうもうで、サビイロネコと異ことなり、決けっして人ひとに懐なつくことはないと言いわれています。クロアシネコもまた、絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅです。

クロアシネコ