けもの塾
キリンの蹄ひづめ
たしかに今いまこの地球上ちきゅうじょうにいる大形草食動物おおがたそうしょくどうぶつにしか蹄ひづめはないよね。でも、大昔おおむかしにいた大形草食動物おおがたそうしょくどうぶつには蹄ひづめでなく鉤爪かぎづめをもつものがいろいろいたことが化石かせきから分わかっているんだよ。よく知しられているのは始新世後期ししんせいこうきから漸新世ぜんしんせい(4040万まん~2043万年前まんえんまえ)の北きたアメリカに棲すんでいた偶蹄類ぐうているいのアグリオコエルス(Agriochoerus)で、体からだはウシくらいの大おおきさで、5本指ぽんゆびで先さきには鉤爪かぎづめがあったんだ。この仲間なかまは鉤爪かぎづめを使つかってイモなどの草くさの根ねを掘ほって食たべてたいたのかもしれない。また、中新世初期ちゅうしんせいしょきから中期ちゅうき(2043万まん~1360万年前まんねんまえ)の北きたアメリカに棲すんでいた奇蹄類きているいのモロプスMoropusは、ウマくらいの大おおきさで、前後ぜんごの足あしには3本ぼんの指ゆびがあり、前足まえあしのは大おおきな鉤爪かぎづめで、草くさの根ねnあるいは水草みずくさなどを掘ほり起おこして食たべていたのではないかな。
アグリオコエルス(Agriochoerus/Wikipediaより)
モロプス(Moropus/by Rober Bruca Horsfall)
最初さいしょ、すべての哺乳類ほにゅうるいはみんな鉤爪かぎづめをもっていたと考かんがえられているんだ。これは哺乳類ほにゅうるいが鉤爪かぎづめのトカゲのような爬虫類はちゅうるいから進化しんかしてきたからだ。歩あるくとき地面じめんにうまく引ひっかかるので具合ぐあいがよかったんだね。木きを登のぼるのにも便利べんりだ。肉食動物にくしょくどうぶつはこの鉤爪かぎづめを獲物えものを捕つかまえるのに使つかった。先さきが鋭するどいほど良よかったんだね。草食動物そうしょくどうぶつもはじめは鉤爪かぎづめでしたが、肉食動物にくしょくどうぶつに襲おそわれたとき、戦たたかうか猛もうスピードで逃にげるかのどちらかなので、走はしるのに適てきした硬かたい爪つめをもつものが現あらわれ、これが蹄ひづめへと進化しんかしたんだろう。大昔おおむかしには草食動物そうしょくどうぶつに鉤爪かぎづめをもつものと蹄ひづめをもつものがいたわけなんだ。
3種類しゅるいある爪つめの型かた
私わたしたち人間にんげんの爪つめは平爪ひらづめ(または扁爪へんか)と呼よばれ、哺乳類ほにゅうるいとしてはとても変かわっているんだ。原始的げんしてきなサル類るいは鉤爪かぎづめを持もっているから、進化しんかしたことで平爪ひらづめになったんだ。進化しんかしたサル類るいが平爪ひらづめなのは、毛けづくろいなどをして仲間なかまとうまく暮くらしていくのに大切たいせつな働はたらきをするようになったとき、指先ゆびさきで毛けなどをつまむようになり、指先ゆびさきを補強ほきょうするのに平爪ひらづめが役立やくだったからだろう。私わたしたちの爪つめも指先ゆびさきの補強ほきょうに役立やくだってる。爪つめがなかったら、コップなどを持もつときに指先ゆびさきがフニャッとなって力ちからが入はいらず落おとしてしまうよね。