けもの塾
鉄棒てつぼうなどに膝ひざをかけて頭あたまを下したにしてぶら下さがると、どんどん頭あたまに血ちが流ながれ、頭あたまが重おもく感かんじるよね。それは、私わたしたちの体からだに流ながれる血液けつえきが重力じゅうりょくのために、頭あたまの方ほうへ流ながれて血管けっかんを圧迫あっぱくするため。ヨガでは頭あたまを下したにしてわざと血流けつりゅうを頭あたまに流ながすことで、血液けつえきやリンパの循環じゅんかんを促うながすポーズもあるけれど、何時間なんじかんも続つづけることは無ないはず。ところが、コウモリは1日にち13時間じかんくらい、このさかさまのポーズでぶら下がっていることができるんだ。コウモリが長時間ちょうじかんぶら下さがっていることができるのは、その体からだに秘密ひみつがあるんだよ。まず、コウモリは飛とぶためにとても軽量けいりょうで、重力じゅうりょくの影響えいきょうを受うけるほどの体重たいじゅうがないこと。小ちいさいコウモリであれば、2g(1円玉えんだま2枚まい)ほどの重おもさで、フルーツを主食しゅしょくとするオオコウモリですら1.1㎏と軽量けいりょうなんだ。体からだが軽量けいりょうであるということは、その体内たいないを流ながれる血液けつえきの量りょうも当然少とうぜんすくなく、重力じゅうりょくの影響えいきょうをあまり受うけないんだ。
また、脚力きゃくりょくはあまりないコウモリだけれど、脚あしの腱けんが強つよく、長時間ちょうじかんぶら下さがっていてもあまりエネルギーを消費しょうひすることのない仕組しくみになっているんだよ。
ヒメキクガシラコウモリの脚あし
そして何なにより、飛行ひこうをする時ときにただ脚あしを放はなすだけで、すぐに飛とぶ姿勢しせいに入はいれるということは、筋力きんりょくの少すくないコウモリにとってとても有意義ゆういぎなことなんだ。