けもの塾
日本にほんでは北海道ほっかいどうにしかいないナキウサギ
モグラだけでなく、イノシシやツキノワグマ、ニホンザル、ニホンカモシカなども北海道ほっかいどうにはいないんだ。その反対はんたいに、エゾリスやエゾシカ、エゾフクロウやヒグマ、ナキウサギなどは日本にほんでは北海道ほっかいどうにしかいない動物どうぶつだよ。 北海道ほっかいどうと本州ほんしゅうの間あいだの津軽海峡つがるかいきょうには、ブラキストン線せんという見みえない生物いきものの境界線きょうかいせんがあると考かんがえられているんだ。この線せんはイギリスの動物学者どうぶつがくしゃトーマス・ブレーキストンが明治時代めいじじだいに来日らいにちした際さい、北海道ほっかいどうと本州ほんしゅうの主おもに鳥とりを研究けんきゅうしていて気付きづいたもので、この線せんを境さかいに北きたと南みなみで生息せいいくする動物どうぶつが異ことなるんだ。
氷河時代ひょうがじだい、北海道ほっかいどうはアジア北東部ほくとうぶのアムールやシベリアと、本州ほんしゅうはアジア大陸東部たいりくとうぶと陸続りくつづきで、それが長ながい年月ねんげつをかけて今いまの日本列島にほんれっとうの形かたちになったのは知しっているかな? 寒さむくなると動物どうぶつたちは南みなみへ下くだってくるから北海道ほっかいどうには大陸たいりくとつながったサハリンを通とおって北方系ほくほうけいの大型おおがたの動物どうぶつが多おおく入はいった。 でも津軽海峡つがるかいきょうは深ふかく、寒冷化かんれいかして海うみが引ひいても陸地りくちになりにくくヒグマなど一部いちぶのものしか本州ほんしゅうには入はいれなかったんだ(ただし肉食にくしょくの傾向けいこうが強つよいヒグマは暖あたたかくなったとき、ドングリ食しょくのツキノワグマと競合きょうごうして消滅しょうめつしたんだよ)。 陸地りくちになっても南方系なんぽうけいのもの(ニホンカモシカやニホンザル、ムササビなど)は寒さむい北方ほくほうへは進すすまなかったから、本州ほんしゅうの動物どうぶつたちは北海道ほっかいどうには入はいらなかったんだ。 南方系なんぽうけいの動物どうぶつたちは暖あたたかくなったときは北きたへと広ひろがったけれど、ようやく本州北端ほんしゅうほくたんに達たっした時ときには海うみの水みずが増ふえて津軽海峡つがるかいきょうが出来上できあがっていたから北海道ほっかいどうには入はいれなかっただろうね。 このようなわけで北海道ほっかいどうと本州ほんしゅうでは棲すんでいる動物どうぶつが異ことなると考かんがえられているんだよ。